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さすらいびとの子守唄

Landscape with Railway

忘れえぬ情景2006その2

今年はやはり銀河線の廃止が忘れられません・・・というかまだ引きずっているような気がします。学生時代の旅の印象が強かった旧国鉄池北線の面影を見て憑かれたように撮影していたような気がしました。
そのとき、一人旅の寂しさと楽しさを教えてくれた置戸で最終列車を送ろうと決め、置戸で迎えたのですが一番印象に残ったのは、銀河線撮影を始めてから気に入った大誉地と上利別でした。
もうひとつのさよなら・・・そんな感じでした。

廃止される前日、昼間の列車を撮影してちょっと間が空く時間があった。何をすることもなく僕は大誉地で過ごしていた。ここの駅舎がとても気に入っていたからか、別れを惜しむかのように冷たい風の中ずっと駅舎を見つめていた。すると空から「くぉー」という白鳥の鳴き声が聞こえた。空を見上げると白鳥が編隊を組んで飛んでいた。シベリアへ帰るのだろう。いくつもいくちも、なぜか大誉地の空を飛んでいった。

hakutyou


編隊は絶えることなく過ぎていく。
この白鳥たちが来年帰ってくる頃、銀河線は走っていない・・・そんな事を考えると無性に悲しくなった。銀河線が走っているうちに帰っていくのだろうか・・・いくつもいくつも白鳥は飛んでいった。
「気をつけてな・・・」心の中でエールを送ると、「くぉー」と一声・・・僕の想いが伝わったのだろうか・・・

翌日、さよなら列車を追いかけたがイマイチで、結局僕は又大誉地にいた。おばあさんが二人、「さよならをするんだ・・・」といって待っていた。そして静かに手を振って列車を送っていった。「何十年もから見ていた列車がなくなるなんて信じられないよ。寂しいよ。」悲しそうに話してくれたおばあさんの言葉が胸を締め付けた・・・
静かな静かなお別れだった・・・

lastoyochi


その後僕は上利別へ向かった。ここも木造の駅舎が残るところだ。なんとなくほんとになんとなく上利別へ向かった。
あたりは暗くなる。薄暮の時間。駅に着いた僕は目を見張った・・・
上利別の駅のい煙突から煙が出ている。そしていつも真っ暗だった駅事務所に灯りが灯っている。上利別駅が生きている。人がいて、車が止まっている。あと数時間で廃止される駅が最後に蘇ったようだった・・・
聞けば集落の方々がお別れをするのだという。又今後の駅舎の保存とか様々なことを話し合うべく集まったのだという。
廃止の直前、一瞬蘇った上利別駅を僕は感慨深げにいつまでも見つめていた。

kamitosibetusaigonohikari


その後僕は陸別で最終を見送り置戸へいった。置戸は銀河線の最終列車を送るべくものすごい人が雨の中見送った。僕はなんか違和感を感じてしまった。
大誉地や上利別のような送り方を見てしまったからだろうか・・・
置戸や北見での最後のシーンがテレビで流れていたが、もうひとつのさよなら・・・ともいうべくこのシーンを見る事ができたことがよかったと思った。

そして様々な想いの中、平成18年4月20日、ふるさと銀河線が時刻表から消えたのだった・・・
今年、一番悲しい出来事だった。

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上から
2006年4月19日 北海道足寄町大誉地上空
2006年4月20日 北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線 大誉地
2006年4月20日 北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線 上利別
2006年2月28日 北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線 大誉地

テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2006/12/29(金) 23:52:28|
  2. North requiem ふるさと銀河線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

ふるさと銀河線の想い出

初めまして・・・
ちほく高原鉄道の想い出を探していて、このサイトに出会いました。
鉄道の形式写真には、まったく興味がございませんが、鉄道風景には感動深いものがあります。写真も美しく、なによりニッポンの鉄道を愛する心が強く伝わって来ます。あちこちの鉄道風景を撮影されているようで、そのご苦労を推察いたしましが、それはまた静かな喜びでもあろうかと思います。

遅れましたが、自分は写真、随筆、番組構成作家(BS)などをいたしております。いちおうプロということになりますが、こういうサイトを見るとプロであることの意味を改めて問われるような気がいたします。今日、プロであるといことは必ずしも優れていることにはならず、むしろ金銭にまとわりつかれることのないピュアな創作の意味で、アマチュアはプロよりも優れていると感じることが多いです。良い意味でのアマチュアリズムを忘れずに、これからの仕事に精進しようと思います。ありがとうございました。

※URLは銀河鉄道の想い出をフォトシネマに仕立てたものです。撮影は廃線の年の秋。フライフィッシングの取材で偶然訪れたのが大誉地の駅だったのです。万感胸に迫り、しばしその地を動けませんでした。

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高原鉄道が池北線(ちほく)からその営業を引き継いで「ふるさと銀河線」と命名した1989年、自分はちょうど陸別を旅していた。そして、廃線の年も偶然そこに居合わせた。宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」にちなんだネーミング。その夢のような言葉に、小さな鉄道の存続を願った人々の切ない思いが込められている。だが、ここに汽動車のディーゼルが響くことは2度とない。それは滅びゆくものにまとわりつく、行き場のない哀しみのように思われた。

聞けば、一部を観光のために再開するということだが、それはすでに鉄道としての使命ではないだろう。

錆びた鉄路は行く先のない未来
かつては人々の希望の駅だった
時刻表を見上げる人も、いまはない。

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  1. 2011/12/04(日) 12:04:52 |
  2. URL |
  3. 斎藤直樹 #-
  4. [ 編集]

斎藤直樹さん、はじめまして。ようこそお越しくださいました。又、過分なお言葉ありがとうございました。アマチュア力というのは自分も聞きます。好きなことを好きなようにというのは確かにアマチュアの特権で、自分もそこを楽しんでいるんだと思います。趣味だからこそ真剣にってやつでしょうか・・・。
銀河線のムービー、拝見いたしました。心にしみますね。廃線の歳の秋ですか・・・。まだ生々しかったんですね。自分も再訪とも思うのですがなんか恐ろしくて、陸別の保存鉄度も含めて行っていません。でもあの路線を気に入って短い間でも北海道に通ったのはいい思い出です。大誉地はいい駅でした。最後の頃ここにばっかり行ってました。
また遊びに来てください。今後ともよろしくお願いいたします。
  1. 2011/12/05(月) 00:12:26 |
  2. URL |
  3. 酒呑童子@さすらいびと #lYqmSEjM
  4. [ 編集]

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さすらいびと 

Author:さすらいびと 
旅と酒と蒸気機関車とローカル線とカメラをこよなく愛するおぢさんです!

真島満秀先生に感化され、「旅情」をテーマに、季節とか、光とか、日常とかの鉄道情景が好きで追い求めています。どちらかというと鉄道写真というより、「鉄道のある風景写真」といった方がいいかもしれません。自分の写真を見て「旅に出たい」って思っていただけたら望外の喜びです。

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