夕方、雨が強くなってきた。涙雨・・・そんな風情は無いくらいに。
本当に廃止されるのが嫌で号泣しているかのような雨が降ってきた。
僕は昨日に引き続きあてもなく大誉地へきた。駅舎のベンチにおばあさんがふたり、ぽつんと座っていた。
「なんかさぁ、無くなるのは寂しいよね。昔っから走っていた汽車の音が聞こえなくなっちゃうんだよなぁ。昼間は人が多くてね、だから今お別れにきたんだ・・・」ゆっくりと、静かに話してくれた。
「昔は人がたくさんいたんだ・・・でも今はいくらもいねぇ。だから汽車も走んなくなっちゃうんだなぁ・・・」なんか、心が締め付けられる思いだった・・・
列車の時間が近づくと何人か町の人も来て静かにお別れをしていた。走り去った後も列車をいつまでも追っていたのが印象的だった・・・

あたりはゆっくり暗くなる。雨はより強くなってきた。上利別にきた僕は目を疑った・・・
駅舎の煙突から煙が出ている。いつもは暗い駅長室の跡に明りが灯っている・・・最期の日に上利別駅が生き返ったような情景・・・
上利別の集落の人が集まってお別れをするという。区長さんらしき方が「今後の駅舎保存なんかの事も含めて話をするんです。駅はこの集落の顔みたいなものですからね・・・」しんみりと話してくれた。
雨の中列車を送った。ペンライトと花束で・・・
決して派手さはなくとも、小さな・・・でも心のこもった短いお別れのシーンにこみ上げるものを感じた・・・

2006年4月20日 北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線
上:大誉地 下:上利別
テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真
- 2007/04/27(金) 00:33:53|
- North requiem ふるさと銀河線
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日が落ち暮れ行く色の中で煙突から流れる煙が哀愁を感じさせます。
駅は街の寄り合い所のような機能も果たしていたのですね。
コメントを拝見し胸が締め付けられるような思いをしました。
- 2007/04/28(土) 13:27:17 |
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- JZX81 #-
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鉄道員の方々も、酒呑童子さんと同じような、お気持ちだったでしょうね。
祖父が鉄道員だったせいか、そんな風に感じます。
- 2007/04/28(土) 22:31:42 |
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- なな #-
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無人になった駅の事務室がまだ使える状態だったのが素晴らしいですね。
蒼く寒い感じの中、灯りと煙が暖かさを感じますね。
- 2007/05/01(火) 21:25:05 |
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- ぱれお #qOWB8fHs
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皆さん、コメントありがとうございます。
>JZX81さん
ここの駅は国鉄時代と変わらないんですね。前の駅長室は確かに集会所みたいに使われていたようでした。僕ははじめてここで煙突から出る煙、駅長室に灯る明かりを見ました。本当になんともいえない気持ちでしたね・・・
>ななさん
ありがとうございます。実は2月に訪れたとき、陸別在住の写真倶楽部の会長さんとお会いしました。元上利別駅長だった方です。鉄道員の誇りを今も忘れない凛とした素晴らしい方でした。ななさんのおじいさんもそんな方だったんでしょうか・・・
>ぱれおさん
きれいに掃除されていました。週に1回集落の方が掃除していたそうですよ。
この雰囲気、ほんとうに動けなかったくらい見入ってしまいました。
- 2007/05/03(木) 00:17:52 |
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- 酒呑童子@どしろ〜と #XD/8Df/M
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